立ち漕ぎのリスク!
- giorgioarumani888
- 5月30日
- 読了時間: 3分
はい!今日の修理の流れから、立ち漕ぎのリスクについてちょっと小話です。
急いでいる時、上り坂を登る時、重たい荷物を載せている時、子供が後ろに乗っている時、
ついつい力いっぱい漕がないといけない事があると思います。
その時にやってしまうのが立ち漕ぎですね~。
でも、この立ち漕ぎというのは自転車にものすごい負担をかけてしまうんです!
そもそも自転車と人の接点は、ハンドル、サドル、ペダルの3か所です。
その中でも体重を支えるように作られているのはお尻を乗せているサドルになります。
勿論、ペダルに付随する部品はそこそこ丈夫に作られていますし、通常の踏むだけの力だけでどうこうなるような構造でもありません。座って漕いでいる場合は、体重のほとんどがサドルに乗っていて、ペダルには交互に踏み込む力だけが加わっているだけです。ハンドルも同様です。
ところが、立ち漕ぎをすると片側のペダルに全体重が乗ってしまう事になります。
しかもそれが、右、左、右、左、右、左…と交互に延々と続いていくのです(-_-;)
状況によっては自転車を左右に振りながら…なんて事になってしまうとさらに力が加わってしまいます。
そういえば、自転車漫画でめっちゃ自転車を左右に振って坂を上る緑の髪の学生がいましたね。
下半身の力に対して、上半身の力が伴っていない人に多く見受けられ、普通に自転車部だとめっちゃ怒られる乗り方ですwエンジンが固定されていない車に乗っているようなものです。進む力は逃げてしまい、自転車に負担だけがかかるのでやめた方がいいですね…(;^ω^)
話が脱線しました(-_-;)で…話を戻すと、車体の中央で両方のペダルをつないでいる中心軸(BBシャフト)には、やじろべえの様に左右交互に力が加わって内部を圧迫していきます。

それぞれの足で一番下まで踏み込んだ力はそれ以上下に行くことが出来ず、逃げ場を探して内側へと負荷がかかります。さらに軸付近でも下方向への圧力が強く加わり内部を押しつぶします。
この内部には軸を円滑に回すためのベアリングという玉が入っているのですが、圧迫によってこのベアリングがダメージを受けてしまうんですね。ベアリングを支えているカバーのネジも緩んでしまう事もあり、隙間が空いてガタガタ音がし始めます。
音がし始める前の初期状態であれば、緩みを増し締めするだけで戻るので、調整代などで安く済むのですが…
放置して無理して漕いでいると、そのうちにパキパキ、バキバキ、ガリガリ、ゴリゴリなどの酷い金属音がするようになってきます。
こうなると内部の破損が考えられるので、ユニットを交換する必要が出てきて修理代も高額になってきます。

更にまだまだ気合を入れて放置して無理やり漕いでしまうと、部品の変型などにより軸が外れなくなってしまい、修理不可能となる事もあります。
以前の案件で、坂道の上にある学校に通う体育会系高校生がそこそこ良い新車を購入して2年で軸がガタガタになってしまい、内部変形で修理できなかった為に、残りの1年の為に買い替えたなんて事もありました!
立ち漕ぎを回避する為にも、変速機が装備されている自転車は出来る限り軽くなるギアを活用してください。
今回も早期発見、早期治療についてのお話でした。
どこの自転車屋でも整備点検のご来店をお待ちしていると思います!
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