歪んだフレームの原因とは?
一年ほど前にも投稿した内容なのですが、ちょうど画像を撮る機会がありましたのでおさらいです。
一般自転車のパンク修理やタイヤの交換をしていると、時々現れる後のフレーム歪み。
通常に使用している時には全く分かりません。
後輪を外そうとして、固定しているナットを外すときに気付きます。
本来、車輪の幅と車体の幅はほぼ同じに作られているのですが、車体の幅が大きく広がって隙間が開いている事があります。
この症状を起こしているのが自転車屋が使用する【バック広げ】と言う工具です。
(稀に、もともと精度の低いフレームを制作している謎メーカーも存在しますが・・・)
本来、後輪タイヤを交換する場合、複数の行程を経て車体から車輪を抜き取って作業をします。
このバック広げと言う工具は、その複数の行程を削減する為に、車輪の片側だけを緩めて、押し広げた車体の隙間からタイヤを抜き取る為の工具です。
熟練者が手際よく使用するのであれば、まだフレームに加わるダメージは少ないのですが、タイヤ交換の手際が悪いと、押し広げている時間も長くなり、車体に加わるダメージも大きくなります。
熟練者であれば、車輪を外してタイヤ交換をするのも時間が掛からない為、結局作業が遅い人が使う傾向があり、それに伴って車体のダメージの蓄積につながってしまう工具です。
(以前の職場で技術指導を長年していましたが、このような傾向を何度も見てきました)
リスクが非常に高い工具の為、メーカー側でも「アルミフレーム、電動車・ベルト車・外装変速機の自転車には使用しないでください。また、小径車などのチェーンステーが短い自転車には使用しないでください。フレームが破損する恐れがあります。」との記載があります。
では、それ以外の自転車に使うのは問題ないのかと言うと、店主的にはお勧めしません。
26インチの鉄製の自転車で使用した場合の実例で、以下の様な画像の状態になる事があります。

車体と車輪の隙間が2センチほど開いております。
(本当はほぼ隙間なく納まるはずなのですが…)
車輪を外さずにタイヤを引き抜く為には、左側の見えている軸よりもフレームを広げ、更にタイヤを引き抜く為の隙間を作らなければなりません。
元の位置よりも大きくフレームをゆがめなければならないのです。
一度開いたフレームは簡単には戻りません。ナットを締めてもバネのようにフレームが押し戻す力が働きます。
緩まないように必要以上の力でナットを締めなければなりません。
必要以上に力を込めると、車輪を支える溝にゆがみが出てしまい、内側に曲がったり、上下に広がったりします。
更に、過剰な力は車軸のベアリングにも負担をかけてしまいます。
ブレーキを固定しているロックナットも緩みやすくなる可能性があります。
車体内部の腐食が進んでいるのであれば、溶接部の折損などの可能性も出てきます。
どの症状もすぐに発生するとは限らないのですが、後の大きな修理代につながるかもしれないと考えると、あまりいい事はないんですね。
以前に比べると、この工具を使用している自転車屋も減ってきてはいるようです。
という事で、今回のフレームの歪みの原因は、「タイヤ交換を容易にするための工具を使用した可能性が高い」です。
便利なのかもしれませんが、私は使わないかなぁ…





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