その症状から何が予測される?Vol.2(タイヤ偏摩耗編)
地面に接していない場所が削れてる?
今回のコル先生が着目したのはこちらのタイヤです。
空気入れをご依頼いただくときに、時折こんな摩耗の仕方をしたタイヤにお目にかかります。

一見するとタイヤはまだ使えそうに見えます。
しかし、コル先生が気になったのは赤丸で囲った部分です。
タイヤの中央はほとんど残っているのに、その少し外側だけが大きく摩耗しています。
「そこって地面に接していましたっけ?」
と思わず聞きたくなるような減り方です。
整備士目線で考えること
この自転車の持ち主が、オートバイのように車体を大きく傾けてコーナーを駆け抜けているわけではありません。
もしそうなら、むしろ私は見てみたいです。
このような摩耗を見た時、私がまず考えるのは空気圧です。
特にお子さんを乗せる電動アシスト自転車に使われる太めのタイヤでよく見かけます。
タイヤの空気圧が不足すると、地面から受ける力でタイヤは大きく潰れます。
後にお子さんが乗って負荷がかかり、重量が大きくなるほどその影響も大きくなり、
タイヤが太くなるほどつぶれ方に特徴が出ます。
つぶれたタイヤ表面の中央部分は上方向に逃げる余裕があります。
しかし、その少し外側にずれた部分は違います。
つぶれて上に逃げようとすると、すぐそこには車輪のフチが待ち構えています。
大きく逃げる事が出来ないすぐ外側は地面との摩擦が大きくなり中央よりも削れやすくなります。
それが今回のような独特な摩耗として現れます。
ご自身の後タイヤを確認していただき、このような摩耗が見られる場合は、空気圧不足のサインかも知れません。
「ちゃんと空気は入れているよ」と言う方でも、実際には少し足りていないケースは意外と多いです。
本当に見ているポイント
このタイヤの摩耗を見て、単純に「タイヤが減っているな」と考えているわけではありません。
私の頭の中では、
・慢性的な空気圧不足だったのか?
・同乗しているお子さんの年齢や体重は?
・残されたタイヤの寿命はどのくらいか?
・負荷によるスポークのダメージはないか?
・リムに変形は起きていないか?
など、様々な可能性が浮かびます。
タイヤの摩耗そのものよりも、その摩耗が起きた事による不具合の発生や、
その先に何が起きるのかを考えながら見ています。
なぜ空気圧が重要なのか
空気圧不足は単にタイヤの寿命を縮めるだけではありません。
・タイヤの偏摩耗
・パンクリスクの増加
・走行抵抗の増加
・電動アシストの消費電力増加
など、様々な部分に影響します。
特に電動アシスト自転車は車体重量も大きいため、空気圧管理の影響が出やすい傾向があります。
部品は管理状態も語る
タイヤはただ減るだけではありません。
どこが減っているのか。
どんな形で減っているのか。
その減り方には理由があります。
整備士はタイヤ交換の時にも、こうした摩耗状態を見ながら日頃の使用状況や管理状態を想像しています。
自転車の部品は、乗り方だけでなく日頃の管理状態も教えてくれるのです。
なお、タイヤの偏摩耗には今回とは異なるパターンもあります。
スポーツ車などで見られる特徴的な摩耗もありますので、そのような症例がありましたら、またご紹介できればと思います。





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