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リユース自転車のリスク

  • giorgioarumani888
  • 2月27日
  • 読了時間: 5分

最近ニュースなどでも取り上げられているリユース電動自転車のバッテリー発火事故。

気軽にネットで取引出来る状況になっている昨今。捨てるよりお金になるなら、少しでも安く入手できるならと手段の一つとして選択する事も増えてきているようです。

特に電動アシストは高額な為、安く手に入るのであれば中古でもOKと考えてしまうのも分からなくありません。

でも、その中古の電動がどのように使われていたのか、どれくらいの期間使われていたのか知らずに入手するのは非常に危険なのです。

安く購入して、充電中に発火してしまい、火事を起こしてしまうのであれば本末転倒です。


脱線しますが、ちょっとここでバッテリーの発火原因について少しお勉強してみましょう。

バッテリーの発火は【熱暴走】と言う症状で起こります。

この熱暴走とは、

①何かが原因でバッテリー内の温度が上昇

②それによってバッテリー内の電気を貯める電解液の温度が上昇

③電解液の温度上昇によりバッテリー内の温度がさらに上昇

④それにより電解液の温度がさらに上昇

これを繰り返して温度が急速に上昇してしまうのが熱暴走です。

通常であればバッテリー内部の温度は放熱機能や温度制御機能が働き、必要以上に高温にならないように管理されています。

夏の直射日光で熱くなったバッテリーが充電できなくなるのも、制御機能が危険を回避してくれているのです。

充電でも温度上昇しますが、正常な状態であれば温度上昇が大きくならないようにコントロールしながら充電してくれます。

とってもおりこうさんなんです。

この制御機能が経年劣化や衝撃、過度な高温などにより正しく働けなくなると、熱暴走が起こりやすくなります。

限界温度を超えても充電し続けてしまったり、蓄えられる電気の量を超えても充電しようとしてしまう事で電解液の温度が上昇してしまいます。

経年劣化で電解液中に出来るデンドライトと言われる結晶や、外部からの強い衝撃などが加わると+と-を仕切っているセパレーターと言う壁を破ってしまい、両極が直接つながる事で大量の電流が一気に流れて急加熱が始まります。制御機能を介さない内部での加熱になるので温度上昇は止まりません。

圧迫されたモバイルバッテリーが発火するのもこれが原因です。

セパレーターは130℃前後で溶解します。電解液は可燃性の高い液体で200℃前後になると自然発火します。

某国製のバッテリーなどはセパレーター自体が粗悪で劣化しやすいという話も聞きます。

さて、話を戻しましょう。

リユース電動車のバッテリーで発火事故が増えているのは、このバッテリーの状態が不明瞭なまま使用されている事が原因です。

中古バッテリーの状態はどのような状態なのかは全く分かりません。

衝撃に関しては外観で大きな傷が無くとも、圧迫などにより不具合が発生している可能性もあります。

大きな傷が付いていたとしても、ただの擦り傷かもしれません。

それは使用していた本人でも分からず、自転車整備士でもエラー表示が出てない限り、見た目では分からないのです。

分かるのは一部のメーカーの充電回数や実力容量、記載があれば何年くらい使っているかぐらいでしょう。


個人同士での取引などで購入する場合、使用可能とコメントに記載されていても、かろうじて使用可能なのか、問題なく使用可能なのか、問題はあるけど使用可能なのか、分からずに出品している場合もあります。


以前に点検でお持ち込みいただいた電動アシストのお話です。

昨日ネットで購入した自転車を今日乗ってみたが、異音がするので点検してもらいたいとのご依頼でした。

お客様の指摘された異音の原因はチェーンの固着による物でしたが、その他にも不具合症状はたくさんありました。

〇後輪スポークが複数本折れていて車輪に振れが出ている。

〇前輪の車輪側面は削れがひどい。

〇鍵にゆがみがありうまく開錠出来ない。

〇前後のタイヤは圧不足での使用により溝が無く、側面の裂傷もひどい。

〇前ブレーキパッドは残りがほぼ無くワイヤーを強引に詰めて反応させている。

〇バッテリー実力容量は50%以下。充電回数は600回以上。

〇モーターの作動音もかなり大きくなっている。

〇ステアリング部は緩んでガタつきが大きい。

〇スタンドはロック部分が油切れにより摩耗と変形で上がりきらない。

購入してから一度も点検を受けた痕跡が見当たらず、どこか壊れた時だけ最安値で修理をしてごまかしてきた結果、高額修理が必要になってきたので手放したという気配が伝わってきます。

自分の負債を他の人に押し付けた感じですね。

売る側は動くからまだ大丈夫だろうと言う感覚なのでしょうが、正しく安全に乗れる状態ではありません。

購入金額を聴くと思ったよりも高く、正しく修理をすると新車の価格を超えてしまいます。

何のためのリユース品なのでしょうか。

リユースを購入するのであれば、ある程度の目利きも必要なのではないかと思います。


もちろん、この話は電動自転車だけにとどまらず、ママチャリやスポーツ車も同様です。

前の持ち主の使い方によっては、維持費がものすごい事になるかもしれません。

リユース自転車がダメと言う訳ではありません。どちらかと言うと少し調子が悪いからと言ってすぐに買い替えるという考えは店主はあまり好きではありません。

洋服も古着として再販出来る物もあれば、再販出来ない物は焼却や洋服以外の第二の人生を歩むようになります。

重要なのはリユース自転車のコンディションがどうなのかです。

同等品を新車で買うといくらくらいなのか。どこが劣化しているのか。乗り続ける為にいくらかかるのか。何もしなければどれくらいでダメになるのか。それを理解する事が大切です。

リユース車は新車よりも劣化速度は早くなります。

自転車の劣化を放置するという事は、洋服と違って危険度も増すという事を知ってください。

 
 
 

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